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良性腫瘍と悪性腫瘍 [がん]

先週は、「癌腫と肉腫」について書いたので、用語の整理として今回は良性腫瘍と悪性腫瘍について書きたい。
腫瘍は細胞の塊(かたまり)のことだが、良性と悪性の腫瘍がある。
細胞が集まって共同作業をしている集団を組織、組織が集まってある特定の機能を果たすようになった集団を臓器または器官という。さらに、ある目的のために、臓器が協力して大きな役割を果たすシステムを器官系と呼んでいる (消化器[官]系、呼吸器[官]系など)。
後述することになるだろうが、細胞は自分が生まれた場所(組織)で生活することが一番居心地が良い(こうした細胞の性格を「細胞の足場依存性」と呼ぶ)。
良性腫瘍とよばれる段階では、目に見えるほど大きくなる (これも大事で、1m㎥の細胞には約100万個の細胞が詰まっていると考えられる) が、生まれた足場を超えて違う臓器との垣根を越えて浸潤することはない。
良性腫瘍の中で、解りやすいのが イボ (疣贅:ゆうぜい) で、ヒトパピローマウイルスの感染で発生する良性疾患である。
これに対し、悪性腫瘍は隣との垣根を越えて「浸潤(しんじゅん)」するためのスキル(技術)を手に入れる。こうして、あるものは細胞のすき間をかいくぐりながら、あるものは周囲の 0.1mm 四方に張り巡らされている毛細な血管やリンパ管の中に侵入して行くことができるようになる (足場依存性の喪失) 。
こうしてがん細胞は、正常の細胞が自然に寿命を迎えて死んだあとのすき間を埋めるように増殖して、宿主を死に追い込むまで増殖を止めない。
こうして、腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に大別することができるが、明確な違いを見つけることは難しい。この良性腫瘍と悪性腫瘍の中間型が境界型と呼ばれるタイプで、女性性器腫瘍(子宮頚部、子宮体部)などで認められる。

タグ:がん
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